Torobo GTC

Torobo GTCは、移動マニピュレータを用いて棚からカゴ車等へ商品を無人搬送する物流ソリューションです。GTCはGoods-to-Cage Trolley、Goods-to-Cart、Goods-to-Conveyorなどを意味し、既存のGTP(Goods-to-Person)と異なり、ピッキングステーションを不要とすることで、人手が介在しない運用が可能です。

Torobo GTCを用いた靴箱ピッキング:フリーロケ

Torobo GTCを用いた靴箱ピッキング:固定ロケ(奥行きあり)

Torobo GTCが行うタスク

お客様のWMS(Warehouse Management System)と連携し、ロボットが自動的に以下の作業を実施します。

  1. 商品補充:商品をカゴ車等から取り出し棚に格納
    • 作業者は商品が入ったカゴ車を所定の位置に設置します。
    • ロボットは商品をカゴ車からピックした後、運搬し、棚に補充します。
  2. 商品出荷:商品を棚から取り出しカゴ車等に格納
    • ロボットは指定された出荷単位/バッチ単位に商品をカゴ車に振り分けて積載します。
    • ピックが完了したカゴ車は作業者が次の工程に運びます。
  3. 棚卸し
    • 定期棚卸しや循環棚卸しなど、ご要望に応じて対応いたします。

 

ハンドリング可能な対象物

まずは以下のような箱類にフォーカスしていますが、今後、箱類以外の物品を扱うことも検討していきます。

  • 靴箱
  • 箱入れされた家電
  • 箱入れされた工業部品
  • カートン全般

Torobo GTCの特徴と利点

GTCアプローチ

カゴ車を用いてピッキングステーションを不要とすることで、作業員の人件費を削減することができます。また、出荷/バッチ単位ごとに振り分けてカゴ車に積載するため、後段のソート作業を極力削減できます。

商品の直接ピック

商品の直接ピッキングによる棚上の稠密な配置により、ケース内に商品を入れるロボットと比較して高い保管効率を実現しています。

高いスループット

ロボットは最大3m/sで走行し、平均して1台あたり60pcs/h前後のスループットが出せるため、高い生産性を実現できます。

コンパクトな足回り

ロボットの足回りを小型化することで、850~900mmの通路幅での運用を可能とし、旋回半径も小さいため、高い保管効率が実現できます。

約3.9mの保管棚

約3.9mの保管棚を用いることで、高い保管効率を実現しています。

既存棚の使用も可能

お客様がこれまで倉庫運用にて使用してきた既存棚を転用することができます。これにより初期費用を削減できます。

自動棚卸しの実施

従来人手で行っていた棚卸しをロボットが自動的に行い、人件費を削減します。

バッテリー交換方式

時間をかけてバッテリーを充電するのではなく、迅速に交換します。それによりロボットの稼働時間が増し、生産性が高まります。

24時間無人運用

24時間、無人で運用することが可能なため、人件費を削減できるだけでなく、ロボット1台あたりの生産性が向上します。

消灯環境下で運用可能

ロボットは消灯環境でも動作が可能なため、無人運用の際に電気代を削減できます。

逐次導入が可能

ロボットを運用する区画を区切ることでスモールスタートが可能なため、リスクを抑えることができます。

カスタマイズが可能

基本部品を全て内製しているため、ロボットや棚の仕様、運用方法など、お客様の現場に合わせたカスタマイズが可能です。

ロボットラインナップ

製品タイプ TG-L TG-S
ロボットサイズ L980mm×W580mm×H3920mm
(※高さのカスタマイズ可)
L980mm×W580mm×H2640mm
(※高さのカスタマイズ可)
ロボット重量 220kg 195kg
旋回直径 1100mm 1100mm
最大移動速度 3.0m/s 3.0m/s
最小通路幅 900mm 850mm
ピッキング高さ 100mm~3900mm 100mm~2600mm
対応ボックスサイズ L150~500mm
W100~400mm
H80~140mm
(※カスタマイズ可)
L150~500mm
W100~400mm
H80~140mm
(※カスタマイズ可)

 

システム構成

  • ロボット
  • バッテリー交換ステーション
  • Wi-Fiアクセスポイント
  • WCS(クラウドまたはオンプレで動作し、お客様のWMSと連携します)
  • 棚(オプション;お客様所有の棚を使うこともできます)
  • カゴ車(オプション;ピッカーウォールやコンベヤなど、お客様の環境に合わせることができます)

 

テクノロジー

  • バッテリー交換ステーション

    バッテリー交換ステーションを用いることにより、迅速に満充電のバッテリーとの交換が可能です。また、一つのステーションで複数のバッテリーが充電されているため、複数台のロボットがステーションを共有でき、ステーションの数を減らせるというメリットもあります。

  • 3次元地図を用いた自律移動

    3次元LiDARを用いて作成された3次元地図と、それに基づく自己位置推定により、自律移動が難しい同質の空間になってしまいがちな倉庫環境において、高速かつ安定した自律移動を実現しています。

  • ロケーション認識のための忍者マーカー

    棚上の位置を特定するため、棚のエッジに貼り付けるのに適した1次元マーカー「忍者マーカー」を開発しました。本マーカーを用いると、位置を示すIDだけでなく、棚とロボットとの3次元相対位置関係も取得することができます。

  • 安定した箱の形状認識

    ピッキングを確実に行うため、深度カメラを用いて箱の形状判定・サイズ判定を行っています。また、重なった箱を切り分けるためのアルゴリズムも工夫しています。

  • カゴ車におけるケースの一括認識

    作業者が商品を充填したカゴ車を三次元センサでスキャンし、商品の数や配置を自動的に認識します。これにより作業者が商品を一点ずつハンディでスキャンしてシステムに登録する作業が不要となり、作業効率の向上やヒューマンエラーの低減が実現されます。

  • 複数ロボットの移動経路マネジメント

    洗練された経路探索アルゴリズムにより、高効率で衝突のない経路計画をリアルタイムに行っています。これにより、安全性を担保しながら、少ない台数で高い生産性を実現することができます。

  • ロボットの動作モニタリング

    実際のロボットの動作をシミュレータ上で再現することで、リアルタイムに動作をモニタリングするツールを用意しています。本ツールを実機と切り離して用いれば、運用前の動作シミュレーションにも用いることができます。

ギャラリー

 

お問い合わせ

本システムの導入ご興味のある企業様は、以下までご連絡をお願いいたします。

contact [アット] robotics.tokyo

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