Torobo Arm(トロボアーム)は、顧客の研究開発を加速させるために生まれた、研究プラットフォームとしてのロボットアームです。

研究用ロボットアーム Torobo Arm の特徴

全軸トルクセンサ装備

Torobo Armは全関節にトルクセンサを備えているため、電流値を用いる方法と比較し、より精度の高いトルク検知が可能です。柔らかい外力追従や力制御、より安全な接触検知などが実現できます。
※トルクセンサに関する特許出願済

ソースコードの提供

Torobo Arm購入の際は、マスターコントローラ(サーボコントローラ)およびPC(ホストコントローラ)のソースコードが提供されます。そのため、低次のトルク制御から高次の軌道制御まで、ご自身で幅広いカスタマイズが可能です。

外部システムとの連携

ROSに対応しており、外部システムとの連携が容易です。また、V-REP、ROS・MoveIt!、Matlab・Robotics System Toolbox(開発中)などの運動学シミュレータとも接続が可能で、オフラインで容易に関節空間軌道を作成できます。


産業用ロボットに準じる性能

研究プラットフォームながらも、高い剛性を持ち、品質の高い部品を使用することで、産業用ロボットアームに準じる性能を実現しています。手先の繰り返し位置精度は0.05mmです。

小型・軽量のサーボコントローラ

ロボットアームを制御するサーボコントローラは、横幅170mm×高さ50mm×奥行き120mmという小型のサイズになっています。重量は約1kgです。そのため、移動ロボットなどへの搭載も容易です。

DC 24 V駆動

電源はDC24Vを使用するため、特別な電源を敷設する必要がありません。また、バッテリーでの駆動も可能なため、自律型のモバイルマニピュレータにも使えます。

 

想定されるアプリケーション

力制御可能なロボットのライン導入検討

部品のはめ込みなどの作業を対象物やロボットを破壊しないように実施するには、力制御が必要です。そのようなロボットをラインに組み込むことの有効性や実現可能性を検討できます。

ハードウェアパラメータ推定の研究

関節角度・角速度、電流値、およびトルク値を取得可能なため、各種ハードウェアパラメータ(質量中心や慣性モーメント、摩擦係数等)を推定する研究が行なえます。外乱オブザーバの設計などにも力を発揮します。

機械学習を用いたロボットの動作学習

強化学習などの機械学習には、探索的動作が必要です。トルク検知機能により、環境やロボット自身を破壊することなく、それを実行することが可能です。

人間共存ロボット・協働ロボットの研究

人間共存ロボットや協働ロボットには、接触に対する安全性が重要になります。力制御とトルク検知機能により、人に危害を加えないロボットの研究開発を行うことができます。

制御や動作計画の教育

PCから各関節のPID制御パラメータを変更することで、動作の違いを容易に確認できます。また、実ロボットを用いた運動学や動力学の実装も学習できます。

 

Torobo Armシリーズ

Torobo Arm

Torobo Arm (non-brake type) * 生産終了

 

 

仕様

Degrees of freedom 7
Reach 600 mm
Weight 18 kg
Payload 6 kg
Rotation range Joint 1 +/-160 degree
Joint 2 +105~-45 degree
Joint 3 +/-160 degree
Joint 4 +115~-50 degree
Joint 5 +/-160 degree
Joint 6 +/-90 degree
Joint 7 +/-160 degree
Maximum angular velocity 120 degree/s (Joint 1~4)
180 degree/s (Joint 5~7)
Repeatability +/-0.05 mm
Sensors 19/18-bit absolute encoder (output/input)
Torque sensor (all joints)
Current sensor (all joints)
Motor Blushless DC Motor
Gear Harmonic Drive™
Poser supply DC 24 V

※Joint 3の駆動機構を取り除くことで6軸タイプにも変更可能です。

寸法

 

システムの詳細

  • システム概観

    ロボットアーム、マスターコントローラ、およびPC(ご自身で準備)からなるシンプルなシステムです(アーム台座は別売り)。電源には、DC24Vを発生可能な安定化電源またはバッテリーを用います。マスターコントローラ用とPC用のサンプルコードが付属し、ユーザーマニュアルも提供されるため、買ったその日から使用することができます。

  • 制御アーキテクチャ


    図中のマスターコントローラにサーボループを実装しており、ロボットアームに対し電流指令値を送信します。通信周期は約1msです。ロボットアームの各関節にはスレーブコントローラが内蔵されており、マスターコントローラとのデータの受け渡しとモータの電流値制御を行います。PC(ホストコントローラ)からは、位置、速度、トルク、および電流の指令値や、関節軌道(各関節の時刻・角度・角速度データ)、制御パラメータをマスターコントローラに送信します。ホストコントローラはWindowsまたはUbuntuで動作し、制御周期はOSのタスク管理に依存します。

  • マスターコントローラ

    マスターコントローラには、ルネサスエレクトロニクスのRXシリーズマイコンを搭載したCPUボードを使用しています。USBまたはJTAGコネクタからマイコンの書き込みやオンチップデバッグが行えます。また、予備のイーサネットポートなども搭載しているため、ご自身でマスターコントローラ同士のイーサネット(またはEtherCAT)通信を実装することも可能です。

    マスターコントローラのサンプルコードとしては、アームの全関節に対する位置、速度、トルク、および電流のサーボコントロールに加え、重力補償やトルクセンサを用いた外力追従、軌道制御が実装されています。サンプルコードは、ルネサスの開発環境であるe² studio(Eclipseベース)により編集およびビルドできます。

  • ホストコントローラ


    ホストコントローラは、PCからコマンドを送ることでアームを制御するためのアプリケーションで、GUI版とCUI版からなります。GUI版はWindows上で動作するC#(Visual Studio)によって実装されており(図参照)、ソースコードが提供されます。関節単位の位置・速度・トルク・電流値に基づく制御、PVTデータ(各時刻の関節位置と速度のデータ)を与えることによる軌道制御、関節情報のログデータの取得などが可能です。

    図の各項目について以下で説明します。

    1. 通信のためのCOMポートとボーレートを設定します。
    2. アームの各関節から取得した角度、角速度、トクル値、電流値、ドライバ温度を表示します。また、マスターコントローラ内のタイムスタンプや制御パラメータ設定値、軌道制御の処理ポイント数なども表示します。
    3. ホストコントローラにはロボットアームの制御モードや指令値を与えるための簡単なコマンドが付属されています。ここではコマンドの送信と履歴の表示を行います。
    4. マスターコントローラから送信される文字列が表示されます。
    5. 軌道制御画面を開きます。
    6. 全関節データのログを保存します。ログファイル内のタイムスタンプの周期は約1msです。
    7. 運動学シミュレータ等で作成した関節軌道をマスターコントローラに送信し、軌道制御を実行します。

    CUI版はGUI版と同等の機能をCUIで実装したものです。ROSのベースとなるもので、Ubuntu上で動作します(未検証ですが、おそらく他のLinuxディストリビューションでも動作します)。使用の際は、まずマスターコントローラと通信するデーモン(Torobo Arm Manager;C++実行ファイル)を立ち上げ、Pythonで作成されたコマンド(Torobo Arm Command Interface)を実行することでアームの制御や状態取得、制御パラメータ設定を行います。

  • ROS/MoveIt!


    ROSを実行するにはCUI版のホストコントローラである、Torobo Arm Manager(C++ベースデーモン)とTorobo Arm Command Interface(PythonベーユーザI/F)を用います。Torobo ArmのROS用パッケージは以下の構成要素からなります。

    toroboarm_robot ROS用パッケージを全てまとめたメタパッケージであり、以下の全てのパッケージが含まれます。
    toroboarm_bringup Torobo Arm関連コンポーネントの起動手順をまとめたパッケージ
    toroboarm_control Torobo Armの制御設定をまとめたパッケージ
    toroboarm_desctiption Torobo Armの構成モデル情報がまとめられたパッケージ
    toroboarm_driver Torobo Arm ManagerとROS環境の接続用ソフトウェア
    toroboarm_gazebo Torobo Armを物理シミュレータGazeboで使用するための各種設定をまとめたパッケージ
    toroboarm_moveit_config 軌道計画ソフトウェアMoveIt!でTorobo Armを動かすための各種設定をまとめたパッケージ

    全てのソフトウェアは東京ロボティクスの公開リポジトリから取得することができます(準備中)。

    ROSでは、ロボットモデルをUnified Robot Description Format (URDF)というXML形式ファイルで記述します。このファイルはROS上の様々なアプリケーションから読み込まれ、ロボットの状態を管理するのに用いられます。URDFには各リンクの形状や関節配置などの構造情報、ロボットに内蔵されたセンサの種類等が記述されます。それに対しROS標準の可視化環境であるRvizを用いると、図(上)のように可視化されます。Rvizに表示されたゲージを操作すると、モデルが動作する様子を確認することができます。

    Torobo Armのような多関節ロボットのための軌道計画ソフトウェアとして、ROSではMoveIt!が広く使われています。MoveIt!を用いると、前述のRvizの画面上、またはAPIを介してC++/Pythonのコード上から軌道計画を実行することが可能です。障害物回避や物体把持など複雑なタスクを標準でサポートしており、従来開発者の頭を悩ませていた軌道計画・実行の複雑なフローを大幅に簡略化することが可能です(下の図)。MoveIt!で作成した軌道は、ROSの物理シミュレータであるGazeboまたは実機で容易に実行することができます。

  • V-REP

    ROS/MoveIt!だけでなく、V-REPでも軌道生成ができます。V-REPの逆運動学により生成した関節空間軌道はCSVファイルとして出力可能であり、これをホストコントローラ(GUI版・CUI版)で読み込むことで、軌道を実ロボットで再現できます。

 

お問い合わせ

お見積もり、ご質問、見学依頼はこちらまで: contact[at]robotics.tokyo