人型ロボット Torobo

Torobo(トロボ)は全身人型ロボットの産業応用の研究を加速するために開発されたロボットです。

特徴

Toroboは次の特徴を有しており、人や環境、対象物と積極的な接触を伴う作業の自動化に関する研究、力制御可能な次世代双腕ロボットの応用研究、ロボットへの機械学習の適用に関する研究などに活用できます。

人間と同等のサイズと力

身長1660mm、リーチ680mm、台車幅625mmと人に近いサイズで、片腕の可搬重量が最悪姿勢保の保持で8kg、瞬間最大保持力で20kg(肘部直角曲げ時)と十分な力が出せるため、人の作業を代替するようなロボットの研究開発が可能です。

多種多様な作業に十分な関節構成

腕7軸×2本、腰3軸(ピッチ・ピッチ・ヨー)、首3軸(ヨー・ピッチ・ロール)、足回り4軸(全方位移動台車)の関節構成により、人間の生活空間・作業空間において人に近い可動域で作業ができます。

腕部と腰部のトルクセンシングとインピーダンス制御

腕部と腰部の全関節にトルクセンサを備え、関節単位のトルクフィードバック制御により、力を調整しての作業や安全な接触停止が可能です。組立作業や料理、人間との物理的インタラクションなどをより安全かつ巧みに実行することができます。

ROS対応

ROSに対応しているため、ROSのシミュレータであるGazebo内のロボットと実機を同じプログラムを用いて動作させることができます。これによりロボットの動作を安全に検証することが可能です。また、軌道計画や自己干渉判定に関しては、MoveIt!の機能を用いて標準で実装されています。

動画

基本性能

Toroboの基本性能を示す動画です。※2:20以降のダイレクトティーチングは、自社内での研究開発のため基本パッケージに含まれていません。

応用動作(両手ペグインホール)

インピーダンス制御を用いたペグインホールのデモです。こうした技術を発展させることで組み立て作業の自動化も可能になります。

応用動作(机の片付け) 作成:早稲田大学

JSTムーンショット型研究開発事業(目標3:一人に一台一生寄り添うスマートロボット)で開発されたデモです。机を拭く動作に力制御が活用されています。動画の著作権は早稲田大学に帰属します。

応用動作(超音波検査) 作成:東京女子医科大学

JSTムーンショット型研究開発事業(目標3:一人に一台一生寄り添うスマートロボット)で開発されたデモです。 超音波プローブを押し当てる動作に力制御が活用されています。動画の著作権は東京女子医科大学に帰属します。

仕様

Sensors (head)
  • Wide-angle stereo camera x 1
  • Fisheye camera x 1
  • Depth camera x 1
  • Stereo microphone x 1
Effectors (head)
  • Speaker x 1
Height 1660 mm
Weight approx. 160 kg
Payload Worst posture: 8 kg (single arm)
Instantaneous maximum: 20 kg (with elbow bent at right angle)
External terminals (back of the robot)
  • Digital input x 7
  • Digital output x 7
  • Analog input: x 8
  • Analog output x 2
  • Power supply for external equipment: 5V-DC/3A, 12V-DC/2A
  • Ethernet x 2
  • USB 3.0 x 8
  • Charger connection terminal
Tool flange (tip of the arm)
  • 24V DC power supply terminal x 1
  • General-purpose signal wire x 8
Onboard computer
  • PC for robot control
  • PC for image acquisition, etc.
Power source Built-in battery (continuous operation while charging is also possible)
Battery continuous operation time Up to approx. 3 hours

寸法

 

ソフトウェア

力制御可能な人型ロボットの動作に必要な基本的な機能が予め実装されています。 直交座標系におけるインピーダンス制御、ZMPを監視しての転倒防止機能、複数の動作を連結するためのステートマシン、干渉判定に基づく安全停止などを活用することができます。 ToroboのソフトウェアはROSをベースに作成されています。 そのため、上記の機能を容易に使用できることに加え、RVizでの状態可視化、ROS標準のソフトウェアであるMoveIt!を用いた軌道計画、ロボットのセンサ情報(カメラ画像、関節角度、関節トルク等)のログ取得や保存が可能です。

パッケージ/オプション

基本パッケージ

  • 人型ロボット「Torobo」
  • 充電器
  • Torobo用ROSパッケージ
  • ユーザーマニュアル
  • 6ヶ月メールサポート

 

ハンドオプション

3指ハンド

  • 親指+2本指の計3本の指構成
  • 軸構成は各指1軸(計モータ3個)
  • 指先で10N程度の力を出力可能
  • 指先および手掌部にゴム素材を取り付け

 

4指ハンド

  • 各指でインピーダンス制御可能
  • 親指+3本指の計4本の指構成
  • 軸構成は各指3軸、その他1軸(駆動10関節、受動2関節)
  • 指先で8N程度の力を出力可能
  • 指先および手掌部にゴム素材およびFSR圧力センサを取り付け
  

 

リーダーフォロワー制御システム

Noitom社のモーションキャプチャシステムであるPerception Neuron® PROを用いたリーダーフォロワー(マスタースレーブ)制御システムです。機械学習のための動作教示や遠隔操作などに使用できます。特異点の回避や自己干渉の保護、ロボットに外部拘束が生じた際(例えば机を上から押し込むなどした際)のトルクリミット機能があるため、安心してご利用いただけます。また、左右の腕、グリッパ、首、腰、台車単位の制御の有効化/無効化機能も有しています。

操作者とロボットのマッピング

ソフトウェア

リーダーフォロワー制御デモ

チームSynapseとして、NTTコミュニケーションズ様、早稲田大学様、Xela Robotics様とアバターロボットのチャレンジであるANA Avatar XPRIZEに参加した際のデモ動画です。システムの準備から始め、要求された6つのタスクを遠隔から実行しています。動画の最後では安全機能について紹介しています。本技術は当社が2019年にNTTコミュニケーションズ社によるOpen Innovation Programに採択されて以来、共同開発してきた成果となります。背景の音声ノイズはスイッチング電源によるもので、バッテリを使用すれば消えます。

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